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核医学グループ

 核医学グループでは、非密封放射性同位元素(ラジオアイソトープ)を用いて身体の状態や機能、病気の種類や活動性を非侵襲的に測定し画像化する方法を研究しています。各臓器の機能や病態の評価、腫瘍性病変の良悪の鑑別、悪性病変の病期診断、治療効果判定や予後予測など、より正確で効率的な診断を目指して検査技術の開発を行なっています。また、ヨード治療をはじめとする核医学治療の経験を生かし、予後予測や有害事象の発生予測などの研究も行なっています。シンチグラフィ、SPECT、PETなどを利用して、種々のアイソトープ標識トレーサーの生理的な体内分布や体内動態を研究するとともに、新規トレーサーの開発を行っています。

腫瘍に関しては、従来のCT・MRIなどの形態画像に核医学検査を加えることにより、より正確な診断を行うことや、治療効果判定、予後予測、治療後の再発の早期発見などに関する研究を行っています。

非小細胞性肺がん原発巣のFDG集積と予後
図:非小細胞性肺がん原発巣のFDG集積と予後
原発巣の集積程度が3.5以下の患者では、3.5を超える 患者に比べて有意に再発が少ない。

ヨード治療をはじめとする核医学治療でのSPECTやPET所見を解析し、より適切な治療および検査プロトコールの開発を行い、予後予測や有害事象の発生予測がどの程度可能であるかなどを研究しています。

転移リンパ節のヨードとFDG集積との関連
図:転移リンパ節のヨードとFDG集積との関連
分化型甲状腺がんの転移リンパ節において、ヨードが 集積するものはFDG集積が低く、ヨードが集積しない ものはFDG集積が高い傾向にある。

種々のアイソトープ標識トレーサーの生理的あるいは病的状態での体内分布を解析し、目的物質の体内動態や病態を画像化する分子イメージング研究を行なっています。

転移リンパ節のヨードとFDG集積との関連
図:ドパミン系神経伝達機構の解析
正常ではシナプス前、後機能ともに保たれている のに対し、パーキンソン病の患者では後機能が、 多系統萎縮症の患者ではシナプス前、後機能の両者が侵されていることが分かる。